2012.08.06 17:55|未分類
動物をとりまく惨状を知ってアニマルライツの活動を始めた今年、
知り合いの勧めもあり「愛玩動物飼養管理士2級」をとることにしました。

すこし前に教本が届き、さっそく毎日、通勤中の電車内ですこしずつ読み進めていってるのですが、
これが思っていたより興味深い内容で。
私の視線は教本に一点集中、終点駅に着いても気づかずに、
「お客さん、終点ですよ!」と駅員さんに言われてやっと顔を上げるような始末。

そんなに面白い内容、なにが書いてあるかって・・・

転載はあまりよろしくないようなので、できるだけ私の言葉に変えて
印象に残った部分や感じたことを授業のノートをとるような気持ちで書き残していこうと思います。



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 動物愛護論
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ここでは、古今東西の動物愛護の歴史を紐といていきます。

学生時代の歴史の授業といったら、単語を覚えるだけの勉強で面白いという感覚は薄かったのですが、
今回は自分が本当に興味のある分野ですから、知りたい!という欲求があります。

アニマルライツのことを考え始めて、なぜ今、日本がこんななのか、
私の感じ方と世間の感じ方がどうしてこんなにかけ離れているのか悩み、客観的に考えてみたかったので、
この章は特に大変興味深く、読み入りました。


~ 人は動物をどのように観てきたか ~

ここでは日本と西洋の動物に対する考え方の違いを考えていきますが、
そもそもの大前提として、住んでいる地域や気候などの自然環境によって、動物に対する価値観は変わってくるそうなんです。

<砂漠型>・・・アフリカやサウジアラビアなど
乾燥してて厳しい環境。動物や自然を敵とみなす。

<牧場型>・・・ヨーロッパ
豊かではないが穏やかな自然なので、動物を簡単にコントロールできる。支配下において利用しようとする。

<四季型>・・・日本とか
植物も動物も豊かで共存繁栄できる。台風などの災害も多く、自然とうまく共生する知恵が必要。


確かに。
暖かい地域と寒い地域では人間の気質も変わってくるし、大陸か島国か、とかでも変わってきそうですね。


【 日本人の動物観とは? 】

そういった風土のよる基本的な土着概念が古来からあり、
さらに日本は1500年前くらいにインドから伝わった仏教に強く影響を受けたようです。

仏教の考えに「輪廻転生」というのがあります。

命あるものは、たとえ肉体が滅んでも魂は生きつづけ、
その姿を変えながら果てしなく命を重ねていきます。

現世で良いことをしたら良いものに生まれ変わり、
悪いことをしたら悪いものに生まれ変わる。
そうやって命を重ねていく世界は6つに分かれていて、
下から順に、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天、とあります。

畜生というのが動物のことですから、仏教の世界でも動物は下のグループに入っていて、
心地よく生きていくのが難しいグループにいることが想像できます。

* * *
ちょっと話はそれますが、ここで畜生と人間の間に「修羅」というのがありますよね。
私は仏教世界に詳しくないのですが、にわか知識で言うと修羅は争いに心を奪われて、苦しみ続けるものです。
序列から言って動物よりは上だけど、人間より下に位置するこの修羅・・・
私の頭に浮かんだのは、あの猫虐待犯でした。

人間の姿をしているだけで、あの男は修羅なんだと思いました。

絶対に許されない悪行をしてしまったので、次は畜生道や餓鬼道を飛び越えて地獄に落ちるのだなと思いました。
自分が動物にした行いの何十倍もの残酷な行いを、今度は来世で自分が受けるのでしょう。
私は特に信心深い仏教徒というわけではありませんが、そう考えると、いくらか気持ちが落ち着くので不思議です。
動物虐待事件は、動物の価値が低い今の法律では、まず裁ききれません。
無念としか言いようがありませんが、私たちがつくった世界、私たちで変えていくほかありません。

* * *

さて話をもとに戻して、日本に仏教が伝来したことで動物に対する独特の価値観が定着していったというお話です。

輪廻転生によって6つの世界を行き来する私たちの魂ですから、動物と人間の間に、決定的な境界線はありません。
自分の前世の姿、あるいは来世の姿かもしれないという思いで動物を見るようになった日本人は、
寓話などの世界に登場する動物にも、人間の姿をさせることに抵抗はなかったようです。

皆さんもよくご存知だと思いますが、人間に化けたキツネとか、美女に化けたツルとか・・・
日本の昔話に出てきますよね。
私たちには馴染み深いこれらのお話も、実は西洋の価値観からするとびっくりするみたいです。

よくよく考えてみると、西洋の寓話には、人間に化ける動物はあまり出てこないです。
たとえばカエルにされる人間など、戒めとして人間から動物に変化することはあっても、動物と人間の姿を自在に行き来するようなお話は少ないのだそうです。
西洋世界ではそれだけ人間と動物の間に大きな境界線があったのです。


そして仏教には不殺生の考えが根本にあります。

たとえば四国巡礼のお遍路さんが鈴のついた杖を鳴らしながら歩くイメージがありませんか?
あれは実は、音を立てることで動物や昆虫などに「これから人間が通りますよ~」と知らせてあげるためだそうです。
そうすることで無駄な殺生を回避しているんだとか。
なんか聞いたことあるな、と思ったらジャイナ教についてもそのようなことを読んだ気がします。
音をたてながら歩くだけではなく、虫などを踏んづけないためにはそもそもできるだけ動かない、という徹底した考えです。
そのように、仏教をルーツとする宗教には、たとえどんな小さな虫に対しても根本に不殺生という通念があるんですね。

ちなみに私も、虫の殺生ができません。
最近気候がいいので、虫たちも活発になってきました。
家の中にアリの行列ができていることもしばしばですが、先日も1匹1匹つかまえて外に出しました。
また入ってくるんだろうなあ・・・。


【 不殺生の実践 】

みなさん一度は聞いたことがあると思いますが、江戸時代の日本には「生類憐みの令」というのがありました。

私のイメージでは、犬好きの将軍様が、「犬は素晴らしい!とにかく犬だけは大切にしなさい!」と、
鶴の一声でむりやり決めちゃった命令だと思っていたのですが、
どうやらそれはドラマやアニメなどで面白おかしく演出されることが多かったための、間違ったイメージでした。

そもそも生類憐みの令というのは犬だけではなく、一つだけの法令でもなく、
「命を大切にしよう」という考えのもとに出されたいくつかの法令の総称だったようです。
なので「生類憐みの政策」と言ったほうがわかりやすいかもしれません。

政策のはじめは1687年で、捨て子・捨て老人・捨て牛馬をやめるよう呼びかける「生類遺棄禁令(しょうるいいききんれい)」があり、
続いて動物の芸や見世物禁止、肉食禁止、遊びでの殺生禁止など、一連の政策として強化されていきました。

それまでの日本では、肉食そのものがあまりされていなかったようなのですが、
徳川幕府のもと平穏安泰な世の中では人々の生活に余裕ができ、食に関しても享楽的な傾向が出てきて、
肉食が多くなってきていたということです。
生類憐みの政策を打ち出したのは時の将軍、徳川綱吉ですが、そういった人々の行き過ぎる享楽傾向を抑制して、
幕府に対して従順にさせようという意図もあったようです。
「ちょっと君たち、肉食べすぎ、動物いじめすぎ。いい加減にしなさいよ。」と。

現代でもこんなふうに、トップダウンで生類憐み政策を展開してくれたら、頼もしいのにな・・・
今の日本は皆で相談してきめよう、という、誰もが納得できるシステムになっているはずですが、
動物愛護の問題など、どう考えても正しい事でもすんなり通らないという・・・合議制の弊害もあるなあと、
この綱吉の政策を勉強して感じました。


それから、政策は移り変わりながらも繋がっていき、1857年には「牛馬屠殺禁止令」というのも出ています。

そしてこういった命を尊ぶ政策は、江戸時代がはじまりではありません。
生類憐みの政策からさかのぼること約1000年。
西暦675年には天武天皇が出した「天武の勅令」というのがあります。
これは、「牛、馬、ニワトリ、犬、サルを食べてはいけない」という命令でした。

こうやって見ていくと、仏教の影響を受けた日本では古来から何かしら不殺生の概念を貫いているかんじがします。


(つづく)(・・・はず)






この後、無事に合格しました!
結局記事は続かずでした・・・・すみません(+_+;)






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Author:にゃんとら
岡山の猫好き。
犬猫を愛護センターや保健所からレスキューするNPO法人の動物愛護ボランティアに参加。シェルターに犬猫のお世話に行きながら、個人ボランティアとしても情報発信しています。
本職はグラフィックデザイナ~。

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