2013.04.19 01:11|動物との共存を考える|
最近は化粧品の記事が多いですが、もうちょっと続きます。
今回は、化粧品の動物実験に反対している方でも見落としがちな、とても重要なことを書きます。
* * *
資生堂の動物実験廃止というニュースには、私たち消費者には嬉しくない、ある条件がついていました。
それは、中国向けの商品については動物実験を受容していくということ。
そして、先日書いたナチュラグラッセの記事に関連して調べていたところ、
ナチュラグラッセも中国に進出していることが判明しました。
中国に進出するということはどういうことか?
中国向けの商品について例外的に動物実験を許し続けるとはどういうことか。
これについてきちんと調べないまま私は勘違いしていたんですが、
いい機会なので詳しく調べてみました。
これは何も、中国向けの商品について日本メーカーが国内で実験を続けるという意味ではなく、
中国向けに商品を輸出する前に、中国の法律で決められた動物実験による審査を、中国当局側で行い、
通過しなければ販売できないということだったんです。
* * *
海外メーカーが中国で化粧品を販売するためには、
中華人民共和国国家食品医薬品監督管理局(SFDA)による「輸入化粧品見本検査」にパスする必要があります。
これは、「化粧品衛生行政許可検査規定」に基づき、指定の検査機関が行います。
<指定の機関>
中国疾病予防管理センター環境と健康関連製品安全所
広東省疾病予防管理センター
上海市疾病予防管理センター
北京市疾病予防管理センター
遼寧省疾病予防管理センター
江蘇省疾病予防管理センター
浙江省疾病予防管理センター
四川省疾病予防管理センター
湖北省疾病予防管理センター
----------------------------------------------------------------------
化粧品の申請における検査の内容
化粧品は一般に微生物検査、衛生科学検査、毒物学安全性検査、人体に対する安全性検査、効果検査を受けなければならない。
検査期間は一般的に2~4ヶ月で、特殊効果のある化粧品は人体に対する試験を行うので期間が長い。
1 微生物学検査の検査項目は、細菌総数、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、真菌および酵母菌などである。
2 衛生化学検査は、水銀、鉛、ヒ素、などの衛生化学指標の測定、カンタリジン(莞青)、
クロルメチン、チオグリコール酸、性ホルモン、ホルムアルデヒドなど、使用が禁止されているまたは使用が制限されている物質の含有量の測定、および、ph値などその他の測定をする。
3 毒物学試験について、非特殊用途化粧品は、急性皮膚刺激性テスト、急性眼刺激性テスト、反復皮膚刺激性テストを受けなればならない。
特殊用途化粧品はこれらの試験に加えて、皮膚変容反応テスト、皮膚光毒性テスト、変異原性テスト、in vitro哺乳類細菌染色体奇変テストを受けなければならない。
4 特殊用途化粧品の人体に対する安全性と効果の評価は、人体でのパッチテスト、
人体での試用テスト、SPF値測定、PA値測定、防水性能測定などである。
----------------------------------------------------------------------
3番に書かれている様々な実験を、マウスやラット、ウサギなどを用いて行います。
↓ こんなかんじ。(「動物の解放」さんより。かわいそうなウサギとマウスの写真があります)
http://maypat01.blog.fc2.com/blog-entry-31.html
中国での実験のスタンダードがわからないので何とも言えませんが、
犬や猫なども使われている可能性もあります。
これらの検査費用は、申請する海外メーカー側が中国に支払います。
一般に約4000~8000元/品目だそうですが、
特殊な効能のもの、たとえば美乳などは2万元以上、育毛は3万元以上で、
日焼止めはSPF値の試験などが必要な場合4万元くらいになるそうです。
(2013年4月現在、1元=15円くらい)
資生堂は、中国での販売を確保するために、1商品ごとにこれらの検査の申請をし、動物実験費用を支払っています。
要するに、自社の利益のために動物実験を許しているのです。
日本にとって中国市場は莫大です。
中国の化粧品市場を占めている人気の海外メーカーは、
1位 フランス
2位 日本
3位 アメリカ
中国は資生堂にとって「お得意様」。
そうそう手放すわけがなかったのですね・・・
* * *
このように、中国で動物実験を義務づける法律があるということを知ったんですが、
こんなこと、消費者にとっては盲点だと思うのです。
動物実験をしていないと公言しているメーカーも、
もし中国進出しているなら ⇒ つまり動物実験を許容している ⇒ 意味ないじゃん・・・
ということに。
で、調べたら出てきました。
----------------------------------------------------------------------
<せっかく動物実験していないのに中国進出しているメーカー>
----------------------------------------------------------------------
ロクシタン
Yves Rocher
Avon
Revlon
Garnier
ロレアル
ジョンソン&ジョンソン
シャネル
クリニーク
ディオール
Caudalie
エスティーローダー
FCUK
ジバンシー
ランコム
サンローラン
----------------------------------------------------------------------
まだまだ他にもあると思います。
(この情報を載せてくれている記事を見つけ、メーカー名をお借りしました。)
悲しい、本当に悲しい。
ロクシタン、ずっと愛用しています。
とても気に入っていたのに、信じていたのに、悲しくて涙が出ました。
「動物実験をしていますか?」と確認して、「していません」と笑顔で答えてくれて安心して使っていました。
中国の法律を知らなかった私たちが悪いんでしょうか?
動物実験していないことを基準にメーカーを選んでいる事がわかっているのに・・・
中国向けに販売していることを説明する責任はないんでしょうか。
「動物実験しない」ということの本質を何と捉えていたらこんな事ができるのかわかりません。
国内ではしない、自社ではしない、中国の問題だ、とメーカーは言うかもしれないけれど、
これでは不誠実で、消費者をあざ笑っているようにさえ感じます。
さようなら、ロクシタン。
ロクシタンの製品は、今使っているものがなくなり次第、新たに買うのをやめようと思います。
いつも行っていたお店の店員さんには、ちゃんと理由を伝えようと思います。
動物実験しないことの本質を理解し、利益追求だけではなく真に良いメーカーになってほしいです。
今回は、化粧品の動物実験に反対している方でも見落としがちな、とても重要なことを書きます。
* * *
資生堂の動物実験廃止というニュースには、私たち消費者には嬉しくない、ある条件がついていました。
それは、中国向けの商品については動物実験を受容していくということ。
そして、先日書いたナチュラグラッセの記事に関連して調べていたところ、
ナチュラグラッセも中国に進出していることが判明しました。
中国に進出するということはどういうことか?
中国向けの商品について例外的に動物実験を許し続けるとはどういうことか。
これについてきちんと調べないまま私は勘違いしていたんですが、
いい機会なので詳しく調べてみました。
これは何も、中国向けの商品について日本メーカーが国内で実験を続けるという意味ではなく、
中国向けに商品を輸出する前に、中国の法律で決められた動物実験による審査を、中国当局側で行い、
通過しなければ販売できないということだったんです。
* * *
海外メーカーが中国で化粧品を販売するためには、
中華人民共和国国家食品医薬品監督管理局(SFDA)による「輸入化粧品見本検査」にパスする必要があります。
これは、「化粧品衛生行政許可検査規定」に基づき、指定の検査機関が行います。
<指定の機関>
中国疾病予防管理センター環境と健康関連製品安全所
広東省疾病予防管理センター
上海市疾病予防管理センター
北京市疾病予防管理センター
遼寧省疾病予防管理センター
江蘇省疾病予防管理センター
浙江省疾病予防管理センター
四川省疾病予防管理センター
湖北省疾病予防管理センター
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化粧品の申請における検査の内容
化粧品は一般に微生物検査、衛生科学検査、毒物学安全性検査、人体に対する安全性検査、効果検査を受けなければならない。
検査期間は一般的に2~4ヶ月で、特殊効果のある化粧品は人体に対する試験を行うので期間が長い。
1 微生物学検査の検査項目は、細菌総数、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、真菌および酵母菌などである。
2 衛生化学検査は、水銀、鉛、ヒ素、などの衛生化学指標の測定、カンタリジン(莞青)、
クロルメチン、チオグリコール酸、性ホルモン、ホルムアルデヒドなど、使用が禁止されているまたは使用が制限されている物質の含有量の測定、および、ph値などその他の測定をする。
3 毒物学試験について、非特殊用途化粧品は、急性皮膚刺激性テスト、急性眼刺激性テスト、反復皮膚刺激性テストを受けなればならない。
特殊用途化粧品はこれらの試験に加えて、皮膚変容反応テスト、皮膚光毒性テスト、変異原性テスト、in vitro哺乳類細菌染色体奇変テストを受けなければならない。
4 特殊用途化粧品の人体に対する安全性と効果の評価は、人体でのパッチテスト、
人体での試用テスト、SPF値測定、PA値測定、防水性能測定などである。
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3番に書かれている様々な実験を、マウスやラット、ウサギなどを用いて行います。
↓ こんなかんじ。(「動物の解放」さんより。かわいそうなウサギとマウスの写真があります)
http://maypat01.blog.fc2.com/blog-entry-31.html
中国での実験のスタンダードがわからないので何とも言えませんが、
犬や猫なども使われている可能性もあります。
これらの検査費用は、申請する海外メーカー側が中国に支払います。
一般に約4000~8000元/品目だそうですが、
特殊な効能のもの、たとえば美乳などは2万元以上、育毛は3万元以上で、
日焼止めはSPF値の試験などが必要な場合4万元くらいになるそうです。
(2013年4月現在、1元=15円くらい)
資生堂は、中国での販売を確保するために、1商品ごとにこれらの検査の申請をし、動物実験費用を支払っています。
要するに、自社の利益のために動物実験を許しているのです。
日本にとって中国市場は莫大です。
中国の化粧品市場を占めている人気の海外メーカーは、
1位 フランス
2位 日本
3位 アメリカ
中国は資生堂にとって「お得意様」。
そうそう手放すわけがなかったのですね・・・
* * *
このように、中国で動物実験を義務づける法律があるということを知ったんですが、
こんなこと、消費者にとっては盲点だと思うのです。
動物実験をしていないと公言しているメーカーも、
もし中国進出しているなら ⇒ つまり動物実験を許容している ⇒ 意味ないじゃん・・・
ということに。
で、調べたら出てきました。
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<せっかく動物実験していないのに中国進出しているメーカー>
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ロクシタン
Yves Rocher
Avon
Revlon
Garnier
ロレアル
ジョンソン&ジョンソン
シャネル
クリニーク
ディオール
Caudalie
エスティーローダー
FCUK
ジバンシー
ランコム
サンローラン
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まだまだ他にもあると思います。
(この情報を載せてくれている記事を見つけ、メーカー名をお借りしました。)
悲しい、本当に悲しい。
ロクシタン、ずっと愛用しています。
とても気に入っていたのに、信じていたのに、悲しくて涙が出ました。
「動物実験をしていますか?」と確認して、「していません」と笑顔で答えてくれて安心して使っていました。
中国の法律を知らなかった私たちが悪いんでしょうか?
動物実験していないことを基準にメーカーを選んでいる事がわかっているのに・・・
中国向けに販売していることを説明する責任はないんでしょうか。
「動物実験しない」ということの本質を何と捉えていたらこんな事ができるのかわかりません。
国内ではしない、自社ではしない、中国の問題だ、とメーカーは言うかもしれないけれど、
これでは不誠実で、消費者をあざ笑っているようにさえ感じます。
さようなら、ロクシタン。
ロクシタンの製品は、今使っているものがなくなり次第、新たに買うのをやめようと思います。
いつも行っていたお店の店員さんには、ちゃんと理由を伝えようと思います。
動物実験しないことの本質を理解し、利益追求だけではなく真に良いメーカーになってほしいです。
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