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2013.01.23 19:56|思うこと
岡山市内には昔ながらの路面電車というものが走っていて、
私は毎日それに乗って通勤しています。

なんの変わりもない毎日の通勤風景なんですが、最近ちょっと気になるおばあちゃんが乗ってきます。
私がそのおばあちゃんと遭遇したのは今日で二回目ですが、
一回目と同じように、今回もすこし緊迫した空気が流れました。

というのが、そのおばあちゃんは足が悪いらしく、路面電車に乗り込む時に段差を上手く登れないのです。

そして今回は運悪く乗務員がそういう場面に慣れていない人らしく、
手を貸そうとせずオロオロするばかり。
なんとか上から手を引っ張るものの、ちゃんと支えてあげないので、
おばあちゃんは電車の床に横転してしまったんです。

床にごろんとなって起き上がれないおばあちゃん。
手を差し伸べない乗務員。
胸が締めつけられるような光景。

なにやっとんねん!!(怒)
たまりかねて私が駆けつけ、支えて起こし、声をかけながら近くの椅子に誘導しました。
他のお客さんも私と同様の反応です。
乗務員が役立たずなのがわかったので皆心配そうにおばあちゃんを見守りました。

「皆さんご迷惑をおかけしてすいません。やっぱダメじゃったか・・・」

おばあちゃんのバツの悪そうなその言葉を聞いて私はなんだかすごい情けなくなりました。
何が情けないって、お年寄りにそんなふうに思わせてしまったこと。

「だめじゃないよ、電車に乗りたかったら、またいつでもチャレンジして!みんな手を貸すから!」
と言いたかったけど席が離れていたので心の中で精一杯エールを送りました。

おばあちゃんは降りるときも皆に向かって丁寧にお礼を言って降りていきました。


* * *

ちょっと切ないお話ですが、
私は私でこの一連の出来事を通して、ある発見をしていました。

以前の私だったら、こういう場面はとても苦手なので、きっと乗務員と同じようにオロオロするだけだったと思うんです。
いい大人なのに、人前で発言したり行動することがどこか気恥ずかしくて他人任せにしてしまうかんじ。

でも今回は、自然に体が動いていた。
最近ちょくちょくそういう発見があるなあと思っていたんですが、今回のことで決定的に確信しました。
私は変わったんだなあと(^_^)

どう変わったかというと、「社会」と「私」の間にあった、ヘンな壁がなくなったように感じます。
安心して繋がっていられる。
社会というのはすなわち人とも言えるんですが、人と繋がることに懐疑心がなくなったんですね。
以前は、人と接するときに、そりゃーいろいろゴチャゴチャ考えていたのが、今はそんなのはどうでもよくなりました(笑)

人にどう思われようと、少々のことはどうだっていい。
もっと大事なことが他にあるし、私は私に誇りを持てるようになったから、
社会と繋がることを恐れなくてもいいようになったんです。


そしてそう思えるようになったのは、動物たちのおかげなんだなあと気づきました。

保護シェルターに通うようになって1年あまり、動物を通していろんなことを勉強させてもらいました。
社会問題として取り組み、いろんな場所で自分の思いを「出力する」ことや
いろんな世代や職業の人と頻繁に接するようになった事はもちろん私に良い影響を与えていますが、
何より動物と接すること自体が私にものすごい影響を与えていると思います。

動物は正直です。
嫌いな人には嫌いな態度をストレートにぶつけてくる。
逆に好きな人には、文字通り体当たりで「好き好き!」とぶつけてくる。

そういう動物の素直な感情表現に接していると、
なんていうかこっちまで、まっすぐな人間になっていく(^_^*)

そしてその良い影響を与えてくれるのは、何も純真無垢な子犬子猫や、
性格上何の問題もない普通の犬猫だけではないんですよね。

心を閉ざしているような大人の動物と接する事でも、人間の心は洗われていくんです。


* * *

シェルターの古株に「かおり」という名前の犬がいます。

この子は多頭飼育崩壊の現場からやってきた子で、
ろくに世話もしてもらえず糞尿が積もって固まった地面の上で生活し、
避妊もされないままオスと同じ檻に入れっぱなしにされ妊娠した子です。

シェルターに来てからも極端に人間を恐れ、いつも同じ場所をぐるぐる回り続ける常同行動が現れていました。
当初は産まれた仔犬の育児もあったので余計にピリピリしていて、
人間が近づくと歯をむいてうなり、噛む真似をするなど威嚇をしていました。

かおりが入っている室内のフェンス内は、いつも散り散りになった新聞紙と糞尿がドロドロぐちゃぐちゃに散らかっていて、
掃除をしようにも威嚇されるのでボランティアは手を焼いていました。


kaori1.jpg
(当時のかおり。フェンス越しに「入って来るな!」と言っていた。)

kaori_ko1.jpgkaori_ko2.jpg
(かおりの子供たち。みんな里親さんのところに行きました。)



もちろん触ることはおろか、首輪をつける事もできないまま数か月がすぎ、
子犬に里親さんが決まり手を離れてからは少し落ち着いて首輪とチェーンをつけることができたものの
やはり人間が近づくとその場を行ったり来たり、直線上を反復する常同行動は消えませんでした。

かおりにとって人間が近くにいることは、ストレス以外の何物でもないように思えました。

日々のお世話の時も、私はかおりに対してはあきらめのような感情を抱いていました。
前を通りかかる時など名前を呼んで話しかけるようにはしていましたが
噛まれるのは怖いし、特にスキンシップを試すような事もなく、ごはんを置いたらすぐにその場を離れていました。



かおりの表情が変わったのはいつ頃からだったでしょうか。
ある日、里親募集ポスター用の写真を撮って気がつきました。

kaori2.jpg


目が優しくなったよね、かおり。
きっと他のボランティアさんも毎日毎日かおりに声をかけてくれて、
触れないながらもいろいろ努力し続けてくれたおかげなんでしょう。



何を思い立ったのか、今年に入って私は、かおりに触れてみようと思いました。

近づくと逃げるので、チェーンを持って、少しずつ引き寄せていく。
手にはお散歩用のリードを持って、そろ~りと近づけて付け替えを試みましたが、1回目は失敗。
かおりはすごく抵抗するし、私もびびってそれ以上は近づけませんでした。

きっと時間がかかるだろうな・・・と思いつつ、次の週もう一回チャレンジ。
やっぱり少し抵抗はするものの、あれ?前よりすんなり・・・・・リードの付け替えに成功!?

さらに、そのままそーっと首の回りを触り、頭も撫でさせてくれるではありませんか(TT)
あまりにもあっさりと触れたので、私はビックリしてしまいました。
かおりは唸ることもなく、優しい目をしていました。

今まで一度も触れたことのないかおりの体、遠くから見るだけだったかおりの毛を触ってみると
ふさふさと柔らかくて、涙が出そうになりました。

こんなにも優しいかおりの事を、私は今まで誤解していたんですよね。
噛まれる、怖い、と思いすぎて、触ろうともしなかった。
そんな自分が情けなくなって反省しました。

いっしょにいた他のボランティアさんが、
「犬と人間も相性っていうのがあるのよ、きっとかおりと相性がいいのね」
と言ってくれて、とても嬉しく思いました。
これからはもっとかおりとスキンシップしてあげよう。

そしていつの日か・・・新しい家族がかおりの事を見つけてくれますように。

kaori3.jpg



* * *

1年前からかおりを見てきて、今年になってこんなに嬉しいことが起こって、
私はあらためて動物と接することの喜びを感じています。

人間に慣れず引きこもってしまう成犬は、コロコロと走り回る無邪気な子犬より、かわいくはないかもしれません。
でも問題を抱えているからこそ見えてくるものもあり、
普通では味わえない喜びや、生きるための深い示唆や、絆を感じることができる
のです。
そういうのって、子犬から育てるのとはぜんぜん違う。
上手く言えませんが、そういう成犬たちは、目には見えないけれど宝物を持っているんだと思います。

シェルターにはかおりの他にも、心に傷を持っている成犬や成猫たちが暮らしていて、
元気な子犬ちゃんや、人なつこい猫たちも暮らしていて、
また、底抜けに明るいヒトや、優しすぎるヒトや、どこか不器用な大人のヒトたちなども集っていて、
そういう、いろんな事と接していると私の心は自然と鍛えられ、また洗われていったんですね。

それに、動物と接していて、弱い存在を守ることが当たり前になった。
ボランティアすることに慣れて、損得だけでは動かなくなった。

弱い存在とは何も動物だけではなく、社会的に弱い立場の人たちもです。
電車で段差を登れないお年寄りに遭遇した時や、障害を持った人や、事故現場に遭遇した時などでも
とにかく何でもいいから何かをすべきで、それが当たり前になった。
自然と体が動くようになったと思います。


普段意識することは少ないかもしれないけれど、
動物が私たち人間に与えてくれるものは、それはそれは大きいです。

私たちより社会的にずっと弱くて、ひどい扱いを受けている動物たちから、
たくさんの愛をもらっていることを忘れてはいけません。











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テーマ:動物保護
ジャンル:福祉・ボランティア

2013.01.18 20:46|動物愛護法
第2部の続きです。

* * *

「動物の命を原点に改正動物愛護法に命を吹き込む」
- これからの取組の組織と活動 -



【第2部】 私達の主張・改正動物愛護法に
命を吹き込むためにしなければならないこと



(たくさん詰め込みすぎて記憶が・・・すみませんが、第2部の続きは
タイトルとお名前のご紹介のみとさせていただきます。)

◆行政との協働を考える

「NPO法人 えひめイヌ・ネコの会」 高岸ちはり さん (愛媛県)
ペット同行避難についての避難訓練のお話など。


◆所有者不明ねこに対する大阪市の取り組みと今後の課題について
「中之島公園猫 対策協議会」 荒井りか さん (大阪府)
TNRのお話など。


◆静岡県警察本部より県下の各警察署に出された通達

「Cat28」 溝渕和人 さん (静岡県)
警察の遺棄の取締り怠慢を指摘、警察への情報開示請求と取締り強化の働きかけ。


◆NPO法人猫の避妊と去勢の会 活動趣旨と目的について
「NPO法人 猫の避妊と去勢の会」 桐畑陽子 さん (石川県)
わかりやすいパンフレットの作り方など。


◆みどり町問題の経過と三重県の現状
「NPO法人グリーンNet」 武藤安子 さん (三重県)
町民による猫排除問題と行政の不適切な対応。



◆その他 <飛び入り参戦など>

・新宿区保健所の職員さん
・APF通信社 北村さん





* * *

【懇親会】


勉強会が終わった後、ホテルに移動して立食パーティー形式の懇親会が始まりました。

DSC_0034.jpg


想像していたより人数は少なく、30人くらいだったでしょうか?
弁護士さんやパネラーの皆さんなど主催者側の方々にまじって、勉強しにきた私たち一般の動物愛護家が少し。

全国の活動家の皆さんから貴重なお話を聞くチャンスだったはずなんですが、
私どうもこういう場所が苦手なようで・・・結局誰にも自分から話しかけることができませんでしたorz
本当にもったいないことをしました。

車で行っていたのでお酒も飲めず、緊張していてお食事も喉を通らず、
話したい人を横目でちらちら見つつ、話がとぎれるチャンスをうかがい・・・でも行かない、行けない!
あーバカバカバカ!!(^^;)
大阪に来てまで引っ込み思案を出してどうする。

でも最後に、一人ひとり自己紹介をする場面があり、そこで皆さんのお話を少し聞くことができたので、
いじけて帰らず良かった・・・。

私は岡山で動物ボランティアをやっていること、シェルター運営のお手伝いをさせてもらっていること、
そしてこのブログの紹介をさせていただきました。


勉強会のほうでは遠くから見るだけだった弁護士の先生方やパネラーの方々とも、
直接お話はできませんでしたが間近で接することができ、
また新たな出会いもちょっぴりだけあって、
結果的に懇親会への参加も有意義なものとなりました。


* * *


【まとめ】勉強会を振り返って。


今までこういう大きめの交流集会に参加経験が浅い私は、まず聞き方、メモの取り方などがわからない^^;
資料の量もハンパなく、お話も興味深いことだらけで情報量が多すぎる!

少しでも油断すると、情報が頭の中をザラザラと掻き回して通り過ぎていくだけのようで、
ついていくのが大変。
資料の中でなんとなく気になった部分にラインを入れるだけで精いっぱいでした。
これも場慣れというものがありそうなので、回を重ねていくともっと上手く聞き取れるようになるでしょうか・・・。


でもやはり内容は素晴らしいものだったと思います。
普段聞けないような法改正の説明はとても有意義で、自分だけで勉強しているより体系的にとらえることができました。


第2部で良かったと思ったのは、
当たり前のことですが、
岡山以外の全国でも頑張っている人がたくさんいるということを
会場の空気感、肌で感じられたこと、
それから全国の中で岡山というポジションを漠然と感じられたことです。

他県のお話を聞いていて、岡山でもできている事と、到底及んでいないことを客観的に捉えることができました。

また聞いていて、そういう他県と比べられる内容と、比べても私自身が把握していない事があり、
自分の知識不足な部分に気づくことができました。
せめて岡山の事は、誰に聞かれても何でも答えられるようにしたいところです。



懇親会は・・・よくわからないままバタバタと終わってしまいましたが、
次回どんな懇親会に行く事になっても、
今度は恥ずかしがらずに自分から話しかけよう!と教訓になりました。


さて勉強してきたこと、感じてきたことを、今度は他の人に向けて発信しなければ意味がありません。

法律を実際に活用するにはまだまだ知識も、機会も足りていませんが、
最近私が勉強会に行ったり記事を書いている活動を認めてくれたボランティア仲間の一人が
「私も法律を知りたい、勉強会をひらいて」と提案してくれました。

とっても嬉しいことでした。

また企画したいと思います。






テーマ:動物保護
ジャンル:福祉・ボランティア

2013.01.17 12:14|動物愛護法
かなり遅くなりましたが第2部のご紹介です(^^;)
少しずつ書いているのですがまだ長くなりそうなので、まずは書けたところまでアップ・・・。
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「動物の命を原点に改正動物愛護法に命を吹き込む」
- これからの取組の組織と活動 -




【第2部】 私達の主張・改正動物愛護法に
命を吹き込むためにしなければならないこと


kouryu1.jpg


第2部は、全国から集まった団体の代表さんなど最前線で活動する動物ボランティアの皆さんが
パネラーとして活動紹介と呼びかけをしてくださいました。



◆8週齢規制「骨抜き」の経緯と今後の課題

AERA記者 太田匡彦 さん

アエラを読まれている方はすでにご存知と思いますが、
8週齢規制について業界の組織票があった事や業界寄りの発言をする政治家がいたことなど、
アエラ記事のコピー資料とともに説明してくださいました。

きわどい前線で闘っておられる太田記者の登場、そのお話を聞き漏らすまいと
会場の集中力が一気に上がり、張りつめた空気になった事を覚えています。

犬の行動学に詳しい菊水健文教授による研究データでは子犬を親から引き離す時期について、
49日より少ない場合と49日の場合では、後者のほうが、
問題行動7項目中7項目について改善が見られ、明らかに問題行動が減るという結果があることから
49日は「当然のライン」(最低ライン)であること。
また56日では明らかな結果ではないにしろ相当の効果があること。
そういった研究データを関係者に情報提供しているにも関わらずなぜ「施行後3年間は45日」となったのか。

またブリーダー側の意見について、
日本でも優良ブリーダーは「60日齢は最低ライン」という意見で、だいたい生後2ヵ月は親元でしっかり社会化させるとのこと。
じゃあ45日を主張したのは誰なの?ということで
本当に一部の、営利目的の大きな権力によって今回のような結果になったのではないかと推測するのは当然なんですね。

お金や欲が人間のモラルを崩壊させている現実を再認識すると同時に、
ちょっと個人的に考えさせられたのは、
ブリーダー=悪というわけではなく、犬猫の健康を第一に考える優良ブリーダーがいるなら
そういう業界を認め応援していくことで日本人の動物愛護意識の底上げに繋がるのではないかということでした。

本当は命の売買はやめてほしい・・・保健所や愛護センターの犬を救ってほしい・・・
でも犬種へのこだわりがあることを全面否定するのは建設的ではないので、
純血種との暮らしを望む方はせめて優良ブリーダーを見極めてもらって(子犬の健康を重視しているか、母犬が頻繁に産まされていないか)、
そういう方から譲ってもらうようにしたら、少しずつ変わっていくかもしれません。



◆「動物実験 / 実験動物の自主管理状況と法整備に関する公開アンケート」調査結果

「動物実験の法制度改善を求めるネットワーク」 藤沢顕卯 さん

EUやアメリカなど先進諸国と比べて異常な国である日本、
その理由は動物を生き物として扱うことができないということです。

現代医療の発展の名のもとに、動物実験に何の規制もないので、どこでどんな実験がされているか私たちは知る事ができません。
実験の是非を問う前にまずは実態把握をする必要があるのですが、
動物実験を行っている各機関からはその調査にすら反発する声が圧倒的に多く、
未だ異様な高い塀に囲まれて中を覗くことすらできていないというのが、この日本の実験動物の置かれている現状です。

そんな中でこのアンケート結果はとても貴重な資料で、
私も初めて目を通すその内容は大変興味深いものでした。

アンケートは、自己点検システムの詳しい方法や情報公開についての16項目で、
大学、製薬会社、化粧品・日用品会社など286機関に対して行われました。

しかし回答率に大きなバラつきが出たようで、国立大学系では78%の回答率だったのに対し
私立大学や製薬会社、化粧品・日用品会社では7~9%という、なかなか想像力をかきたてられる結果でした。
ちなみに実験動物販売業者からの回答は0%でした。

この回答率から見ても、また回答されている数少ない内容を見ても、
どの機関も情報公開に対して警戒している印象を受けました。
中でも製薬会社・試験受託会社・化粧品会社のうちどこか1機関からの回答によると
自主管理で十分か?という質問に対し「はい」とした上で
「現時点では一般社会への説明は必要ないと考えている」とのことです。

これにはかなりの温度差を感じました。
常に理由と説明を求めていくのが私たち消費者の基本的探究心なわけですが、
そういった一般社会のニーズが伝わっておらず、ニーズに耳を傾ける基本姿勢も不十分な印象です。
独善的な姿勢は、企業として社会への責任を果たしていないと思いました。

大学系からのもっと熱心な回答では、
「行きすぎた感情的反発を誘発する行為や動物実験の妨害行為などは人類の福祉に対する挑戦である」など。

また逆に好意的なものでは、外部機関による検証の有無についての質問に対し、海外機関の認証(アメリカOLAW)を準備中という回答も国立大学の1機関であったそうです。
しかし私たち一般市民がうなずくことができる回答はそういった一部のみで、
やはり全体的に見ると他の機関も、自主管理で十分である、法整備は必要ない、など軒並み消極的な回答でした。

回答数のほとんどが国立大学に偏っているので、業界全体を表しているとは言い難いということですが、
回答のなかった機関については、回答しない=公開できないような、一般市民感情からはかけ離れた管理体制?
と邪推してしまうのが普通なので、全部の機関から回答があったとしても結果はさして変わらないか、
あるいはもっとひどい事実が出てくるかだと思います。
そしてそもそも、現状では自主管理しかしていないのですから、回答に嘘があっても私達にはわかりませんね。

とは言え回答に嘘がないと仮定すると、
今回のアンケートは、真っ暗闇だった動物実験の実態把握への第一歩となる大きな成果だったのだと思います。
各機関の自主規制の方法が多様であることや、回答すら得られなかった機関が多かった事なども足掛かりにして
次のアンケート内容も組み立てられるということでした。

今後、実験機関のさらなる情報開示に期待したいと思います。



◆警戒区域に取り残された動物たち

「全国動物ネットワーク」 鶴田真子美 さん (茨城県)

先の震災では人間だけでなく動物たちも被災しました。
震災直後、そこに住んでいた犬や猫や、牛などの産業動物がどういうふうに殺され、
助けようとした飼い主や保護ボランティアがどのような扱いを受けたのか、またそれを指示したのは誰なのか。

資料には当時から現在にいたるまでのそういった真実と、法律に基づく示唆、
そして今後への提言が相当のボリュームで書かれていました。

私も警戒区域の動物に関しては情報収集していましたが、
保護しようとするボランティアと阻止する政府という漠然とした勢力図が頭に入っていただけで、
これほどまでに詳しい資料を読んだのは初めてでした。

「この紙面に記すのは、被災動物の諸問題を通して我々民間人に見えた、
我が国の動物行政をめぐる問題についてであり、再発防止のための提言である。」


端的に言うと、今回の震災における動物への扱いは、まるごとこの国自体の法律違反でした。

基本的に飼い主は動物の保護を求めているが、人命の安全確保という名目のもとに政府や自治体は保護活動を容認しない。
助けようとしたボランティアは徹底的に妨害され、合法的に警戒区域に入ろうとした鶴田さんなどは
個人情報や家族の職業までも調べられ、あげくに愛護団体だからとの理由で断られてしまったとか。

直後の関係者以外の立ち入り禁止は安全確保のため仕方なかったとして、
現在も保護のための立ち入りが禁止され続けているのは明らかにおかしい。
職務で立ち入りする自衛官や警察官に、ついでにとお願いしても、上からの命令で餌やりを禁止されていると断られたとか。
資料には「中には自分の頭で物を考え、内緒で餌をまいて下さる自衛官もあったのが救いである。」とある。

そして核心に迫るこの一文です。

「警戒区域に民間人を入れないのは、民間人を被曝や事故から守るというよりも、原発事故情報の漏洩防止、隠ぺい工作ではないか。そう解釈されても仕方ないような妨害がなされている。動物の命をつなぐための餌やり行為に対し、あまりに過剰な反応である。」


また環境省・復興庁が1億円弱を投じたペット保護の委託事業についても書かれていました。
これは知らなかったので驚きとともに興味深く読ませてもらいました。
事業を落札したのは自然環境研究センター。
そしてフタをあけてみると、今年度の保護活動は9月の一か月間のみという、やる気のない結果。
環境省や政府は何を指示しているのか?
1億円はどこにいったのか?


政府の保護事業が中身のない事業なので、その間にも民間のボランティアが毎月現地に行って這いつくばって成果をあげている。

「懸命な有志の民間ボランティアらは行政をあてにせず、自ら餌まきと捕獲に福島通いをし、着々と命に向き合っていた。
民間ボランティアは自費で餌を購入し、仕事を休んで圏内に入り、手弁当で活動する。保護したあとは、飼い主探しと譲渡活動。
どれほどの労力と手間であろうか。本来ならば国や東電が行う仕事ではないか。
国や東電が行うべき救出・譲渡活動を代わりに行わざるを得なかったのは民間団体であるが、
あろうことか、国はこの民間団体の活動に対して援助しないどころか、却って妨害する始末である。」



そして資料には平成23年6月8日に当時の内閣総理大臣、管直人に宛てられた公開質問状が載っており、
その最後はこのような質問で締めくくられていました。

「動物愛護法第6章第44条には次のとおり記載されております。
【愛護動物に対し、みだりに給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行った者は、50万円以下の罰金に処する。
愛護動物を遺棄した者は、50万円以下の罰金に処する。】(2013年9月1日より100万円に引き上げ)
今回、貴殿は警戒区域の動物たちを遺棄・虐待したことになるのではないでしょうか。
一般の国民と同様、政治家も官僚も国の法律を守る義務があります。これについてお考えをお聞かせ下さい。


「なお、誠実にご回答を頂けない場合、国は飼い主に対して飼養放棄を指示し、動物愛護管理法を自ら反故したことを認めたと理解させて戴きます。」

この質問状に対する回答はなかったそうです。
そして昨年11月の解散総選挙で民主党は後退、自民党へと政権が移りました。
私たちが知りたかった、被災動物の扱いについての数々の質問、モヤモヤとした気持ち、
その気持ちは質問状とともにまるごと宙に浮いたままとなりました。

政府が先導をきって違法行為をし、それに対して何の説明もないとは、
私たち日本人はこの国の政府を今後いったいどのような目で見ればいいのでしょうか。
たかが動物、ではありません。
震災後の混乱、という言い訳はもう通じません。
どんな事柄もひとつひとつ丁寧にやっていかなければ、今後も政治の信頼回復などあり得ないでしょう。

また資料には、繋がれたまま飢え死にした牛の写真が載っていました。
牛が死んでいる、という事そのものより、真っ先に目に飛び込んできたのは、
その綱の短さ。
牛は倒れてミイラ化していましたが、地面近くから首へと繋がれた綱は、もし立ったらピンと張りつめてしまうくらい、
ギリギリ立てるくらいの長さしかないように見えました。これでは身動きすらできません。

写真の説明には「生きても地獄、死んでも地獄」と書かれていました。
こんな飼い方をされて、最期は飢えと乾きで苦しみ抜いて干からびていった牛たちを思うと、
震災後の政府の対応はもちろん、それ以前に、日本の畜産業界の在り方にも疑問を抱かざるを得ませんでした。

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第2部まだまだ続きます!



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にゃんとら

Author:にゃんとら
岡山の猫好き。
犬猫を愛護センターや保健所からレスキューするNPO法人の動物愛護ボランティアに参加。シェルターに犬猫のお世話に行きながら、個人ボランティアとしても情報発信しています。
本職はグラフィックデザイナ~。

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