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せめて祝うのはやめて

2012.04.11 16:02|動物との共存を考える
こんな記事を見つけました。
みなさんはどう感じますか?


**************************************
有害鳥獣処理施設:若狭町に完成 /福井
毎日新聞 4月5日(木)17時19分配信

 嶺南地域有害鳥獣処理施設の完成式が4日、若狭町海士坂(あまさか)の現地であった。
農作物の食害対策で捕獲したシカやイノシシなどを焼却処分する全国でも珍しい専用施設。
嶺南2市4町の連携事業で設置された。
総事業費は約6億1000万円。
うち造成・建設費約3億5700万円は核燃料税交付金で賄っ た。

 式には西川一誠知事や6市町の首長ら約100人が出席。
各市町を代表して敦賀市の河瀬一治市長が「農作物被害対策のみならず、
施設が農業振興や地域発展に役立つことを期待する」と式辞を述べ、
関係者らが火入れのセレモニーなどで完成を祝った。

 施設は灯油の焼却炉1基や冷凍保管庫などを備え、
一日約1トンを処理。年間250日の稼働を想定している。
若狭町が施設の整備を担当し、6市町が共同運営する。

 嶺南ではシカが10年度に約7000頭捕獲されている。
今後、シカだけを扱う食肉加工施設も併設する。【松野和生】

元記事 
http://mainichi.jp/area/fukui/news/20120405ddlk18040664000c.html

**************************************



一瞬ぞっとして無気力に襲われました。

「火入れのセレモニーなどで完成を祝った」
という文章に、まるで太古の黒魔術のような、
動物を取りかこみ焼却を楽しむ人間の姿を想像してしまったのです。

動物を焼くって、そんなに簡単にやっていいこと?ふつうのことじゃないよ、と思う。
6億円もかけて、動物を焼くためだけの施設をつくってしまったのだなあ、人間は。

最初は、そんなふうに感じました。

でも、この記事をきっかけに若狭町の鳥獣被害への取組みを調べてみたところ、
どうやら町では長年イノシシなどの被害と戦ってきたようで、
理想やきれいごとで動物愛護を叫ぶのは、ちょっと待って、と
考えさせられるものがあります。

「祝う」という表現はともかく、鳥獣被害は現地の農家の皆さんにとっては、
のっぴきならない問題であるということを考えると、相当複雑な思いになります。


以下は、過去の 「若狭町鳥獣被害防止計画」 PDFより抜粋です。


----------------------------------------------
【対象鳥獣の種類、被害防止計画の期間及び対象地域】

対象鳥獣: ニホンジカ、イノシシ、ニホンザル、アライグマ、アナグマ、
ハクビシン、カラス、カワウ、アオサギ

計画期間: 平成 20 年度 ~ 平成 22 年度
対象地域: 福井県若狭町

--- 中略 ---

【今後の取組方針】


防護柵や追い払いなどによる防除と捕獲を維持する。
また間伐を促進して森林整備を適正に進め、下層植生の生育を促すことで
野生鳥獣の食料を増やし、あわせて、広葉樹の植樹を行うことで
野性動物の棲息地を少しでも復元し、再び生き物たちを山へ返すことで被害の軽減を図る。
以上のことを総合的に実施し、計画的で積極的な被害防止対策に努めていく。
また、サル被害に対する防除については花火による追い上げしかなく、
今後サル鉄砲を利用した地域ぐるみの防除方法の確立を目指す。

--- 中略 ---

【捕獲等をした対象鳥獣の処理に関する事項】

ニホンジカおよびイノシシについては、捕獲頭数が多いことから
その埋設処理をする土地の確保が難しくなっており、
今後、焼却施設、また焼却施設とあわせて
肉の利活用を目指した食肉加工施設の検討を行う。
捕獲が増加している中獣類に関しては、極力焼却処分を行う。

----------------------------------------------



このように、ちゃんと計画をたてて鳥獣被害対策に取り組んできたのです。

少し状況は違うのですが、宮島のシカを思い出しました。
宮島のシカの事を知ったときは、人間はひどい、野生に返す努力をすべき、と思いました。
人間は好き勝手に土地を改造したり、都合のいいように利用するだけ利用して、
それで起こった問題に対しては首をかしげるだけで、根本を見ることが苦手です。
対処療法のみでは病気は根元から治すことはできないのに。

でも今回の若狭町では、すでにそんな努力はやってきているのに、
どうしてもうまくいかなさそうでした。


野生動物が里におりてくる理由は、人間が長い歴史をとおして森林を破壊し、
動物の食糧が山になくなったことは容易に想像できると思いますが、
問題はそれだけではないと思います。

ずっと以前、人間は、野生動物を狩猟して食べていました。
といっても、野生動物が簡単に捕獲できる道具もなかった時代、
日本人は菜食中心で、何か特別な日のお祝いとしてたまに動物を食べるくらいでした。
動物はめったに食べられないごちそうでしたが、
それでも現代よりは狩猟が盛んでした。
だから動物のほうも人間に対して注意深く警戒する必要がありました。

でも今はどうでしょう。

自分の手を汚すことなく、
スーパーできれいなお肉を簡単に手に入れられるようになって、
誰も森に出かけなくなりました。
そして、野生動物と人間との緊張関係がなくなり、
本来の食物連鎖が崩れてしまいました。

めったに食べられないはずの命を大事にいただくことを忘れて、
食べる用の命を作り出すことまで考えついて、余って、
もう肉は十分だと言って焼却処分する人間。

山からこんなにシカやイノシシがあふれてきているのなら、
いっそのこと日本中でその肉を食べて、
不自然に繁殖された牛を食べるのをやめたらいいのになあと、私は思うのです。
そうすれば本来の自然に近い形で、人間も生きられるのになあ、と。

すでに若狭町では、
捕獲したシカを食肉用に加工する施設も併設する計画を立てていますが、
そのかわり既存の牛、豚、鶏などの畜産を減らすのでないと、ちょっと疑問符がつきます。
だって肉は余っているのですから。


今回あらためて、自然の生態系を壊すことの弊害を思い知らされました。
山からおりてきた野生動物を山に返すには、もう手遅れなのかもしれません。

若狭町の高齢の農家の方など、生活が大変な方々のことを思うと、
何が正しいのかわからなくなってきますが、でも、だからといって、
焼却施設の完成をセレモニーで祝うのも、なんか間違っています。



ねえ、まちがっているよ!!!


言葉を話せない動物の代わりに何か言うとしたら、
その声は決して小さくしてはいけないのだと、どなたかがおっしゃっていました。
それをあらためて自分に言い聞かせたいと思います。








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ジャンル:福祉・ボランティア

コメント:

アメリカは狼

わかる。。にゃんとらさんがいわんとしてること。。
アメリカだったら狼。 イエローストーンにはその昔、たくさんの狼がいて、牧場を荒らすというりゆうで、賞金をかけて、すべての狼を全滅させた。 その後、イエローストーンには狼が存在しなくなり、その代わりに何が増えたか。。鹿、バッファローなどが異常なほど増え、イエローストーンの動物のしくみ?がかわってしまう。。”これじゃ、だめだろう”というので、また狼を10年前かな?に戻したの。 もちろん、牧場側は大反対! 

もともと、狼がいて、そこに人間が入り込んできた。。で、狼は邪魔だというので全滅、で、これじゃ、おかしいということで、また狼を戻す。。 ったく、何考えてんの? でしょ?

狩りをする人がいなくなったから、動物の生態にも変化がでたんだよね。。
ほんと、せめて、祝うのはやめてもらいたいわ。。

人間も自然の一部と言うけれど

>Gumi Bearさん

こんにちは!

イエローストーンでそんな歴史があったんですか。
どこも変わらないですね・・・人間というのは。

他人の気持ちも、動物も、川の流れも、森の木の量も、生態系そのものですら、
すべてをコントロールしようとする生き物です。

コントロールしきれるわけないのになあ、と思います。

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岡山の猫好き。
犬猫を愛護センターや保健所からレスキューするNPO法人の動物愛護ボランティアに参加。シェルターに犬猫のお世話に行きながら、個人ボランティアとしても情報発信しています。
本職はグラフィックデザイナ~。

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