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FIP看護日記(1) 『 不安の1週間 』

2012.07.22 23:18|ボランティア活動
ひとつの小さな命と向き合った30日の記録。伝染性腹膜炎 (FIP)と闘う猫と人のために。

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→ はじめに… 命を看取るということ
「今から思えば、あの時私は、すべてをきれいに終わらせる事ばかり考えていたんです。」

→ 看護日記(1) 『 不安の1週間 』
「生かすための看護ではなく、看取るための看護って、こんなにむなしいものなんだ」

→ 看護日記(2) 『 苦悩の1週間 』
「もうシリンジを突っ込むのは嫌だ。心が折れそうになる。」

→ 看護日記(3) 『 迷いの1週間 』
「今後はどうすればいいのか、考えがまとまらなくて戸惑っていた。」

→ 看護日記(4) 『 最後の1週間、そのあと3日 』
「自分が何をやっているのかわかっていなかった。ただその場その場の判断で動いただけだ。」

→ まとめ(仮) (準備中)

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看護日記(1) 『 不安の1週間 』


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6月1日(金)

13時ごろ、仕事中、メール。
「ヒーローの具合が悪いようで(食欲、元気なし)今日、病院に連れていってもらいました。
脱水症状があり、白血球やタンパクの数値が悪く、インターフェロンとステロイド等を投与。
伝染性腹膜炎の疑いも少しあるということで、しっかり様子をみてくださいとのこと。
とえあえず連絡しておきます。」

夜、仕事が終わってからシェルターに急行。
泊まる覚悟で布団セット持参。
ボラ仲間さんがずっとついていてくれて、21時半ごろ到着した私とバトンタッチ。
ヒーロー息がしんどそうで元気ない。
その後、別のボラ仲間さんも仕事終わりでシェルターに駆けつける。

寝る前に何度かミルクを与えて栄養補給。
なかなか寝付けなかったけど、2時くらいには眠くなった。
夜中何度か、ヒーローの動きに合わせて目が覚めた。
私の寝るふとんに入ってきていっしょに寝たり、また出ていったりを繰り返した。
少しは動けるみたいだったけど、
置いていた餌にはまったく口をつける様子なし。
水も飲まず。





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6月2日(土)

シェルターで朝を迎える。
9時にボラ仲間さんがシェルターにお世話にきた車の音でようやく目が覚める。
ヒーロー相変わらず息苦しそう。
そのまま病院へ。

DSC_00011.jpg

触診で固い便があったので、指を入れて一部出してもらう。
レントゲンを撮ってもらうと、胸水が溜まっていることが判明
その圧力で肺が小さくつぶされていて、息苦しいようだ。
腎臓も大きく腫れている。

DSC_00012.jpg

DSC_00013.jpg


先生は、腹膜炎かどうか、まだ判断がつかないが、ほぼ確定ではないかと言う。
万が一のため入院させてもらえないかと
もう一度、先生と相談。やはり入院は適切ではないということになり、私も納得して、
抗生剤、ステロイド、利尿剤、緩下剤をもらって帰る。

シェルターに戻ってボラ仲間さんと合流。
状況を説明すると、
やはり入院させて手をつくしたほうがいいのではと言う。
腹膜炎の検査をしていないのに、断定してあきらめることには反対のよう。
胸水を抜かなかった判断にも疑問。
他の知り合いの先生に電話で相談してくれた。
頼もしい。
検査センターに送って3~4日かければ腹膜炎は断定できるらしく、
もう一度病院にそうしてもらうよう頼むことに。

その日の夜は、シェルターで広報部のミーティングあり。
22時半に終わり、そのまま帰って次の朝また病院にヒーローを連れていくつもりだったが、
ボラ仲間さんと帰り支度をしているうちに考えが変わる。
旦那さんに電話相談。
快くOKをもらい、結局その夜、ヒーローを自宅に連れて帰る

2階の和室をヒーロー部屋として整え、その日もいっしょに寝る。
ヒーローはまだ苦しそう。

DSC_0009.jpg




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6月3日(日)

朝10時半ごろ病院へ。
他の猫を連れてきたボラ仲間さんと合流。
いっしょに処置室に入ってもらう。

先生に診てもらう。
利尿剤で胸水が抜けていないと判断してか?、すぐに胸水を抜く作業にとりかかる。
エコーで確認しながら針を刺す場所をさがす。
少し手間取って、やっと40ml抜く。
これで少しは呼吸が落ち着くんではないかということ。
胸水の色は黄色~黄緑色で、屈折率で計るタンパク値が「7」だということ。
あきらかに腹膜炎と断定。

DSC_0012.jpg

DSC_0011.jpg


延命治療はしたくない旨伝え、緩和治療でいくことに。
胸水を抜く=タンパクを抜くことになるので、良くない。
抜いてもあと1~2回だとか。
点滴しても胸水たまる原因になるので、できるだけふつうに水分摂取させるほうがよい。

昨日もらった抗生剤、ステロイド、緩下剤、利尿剤を続けて与えることに。
胸水がたまりにくくするために利尿剤を倍の量に。

ボラ仲間さんとヒーロー保護の経緯を思い出しながら悲しみを分かち合う。

帰りに辛くなり、ついつい別の病院に駆け込む。
腹膜炎のセカンドオピニオンを求めた。

滲出液の写真を見せると腹膜炎と断定。
でも治療方法については疑問の様子。

利尿剤では胸水は抜けないし、たまりにくくするにも効果は疑問。
胸水はたまったら何度でも抜くしかない。
それより、今は脱水で苦しんでいるのだから、利尿剤で水分を余計に抜いてはいけない。
脱水症状を和らげてあげることが最優先で点滴し、胸水がたまってしまったら抜く。

電話で他の獣医師仲間にも聞いてくれた。
もう一人の獣医師も利尿剤はストップと、同じ意見だそう。

昨日レントゲンで胸水を発見したときにすぐに抜かなかったことにも疑問。
それと、抜いた量が少なすぎるのでは?
何度も抜くのに反対なのはタンパク値の低下ということでまだ理解できるが、
一回目の抜きがこの量はおかしい、とのこと。
急きょ、追加で抜いてもらうことに。

手際よく100ml抜ける。

DSC_0013.jpg


帰宅後、落ち着いたヒーローは、元の病院の後にくらべて、あきらかに呼吸が落ち着いている。
そして元の病院で受けた説明についても疑問視するように。

ボラ仲間さんにメールで報告&相談。
利尿剤をどうするか、知り合いの先生たちに聞いてくれるとのこと。
その意見を待っている間、ヒーローの様子を見つつ、利尿剤は与えないことに決め、
その晩は抗生剤、緩下剤のみ与える。(ステロイドは朝1回なので済み)





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6月4日(月)

平日の仕事が始まった。
ヒーローを長時間放置するのは不安だけど仕方がない。
胸水を抜いてから呼吸も落ち着き、様子は安らか。

ネットで探して、会社近くに駐車場を借りることにする。
昼休みに30分でも見に帰ろうと思う。

初日だからか、すごく不安で、会社のトイレで泣いたりした。

20時に定時がくると、早足で会社を出る。
電車をおりると駆け足で家に帰った。
ヒーロー無事。朝と変わらない様子。
カリカリを食べた形跡があり安心する。

晩の薬を与えるとき、ネットで読んだ誰かの看護記録を思い出し、
缶詰を細かくして、ミルクと薬をすべてまぜて流動食にして与えてみようと思った。
シリンジの先を切って流動食を吸うが、うまくいかず、
ほんとにこれでいいのか?と思いつつ、ヒーローの口にあてる。
先を切って大きく開いているので、ヒーローが嫌がって顔をそむけるだけでぽたぽたと下に落ちてしまう。

何度かくり返すがどうしても口に入れてくれず、いらいらする。
ヒーローも本当に嫌そうで、少ない体力を振り絞って抵抗して、ぐったりとしている。

はっと気づいて、何してるんだろうと泣けてくる。
ヒーローの余生を少しでも安らかに過ごさせるために、緩和治療でいくと決めたのに、
カリカリは少し食べた形跡があるのに、無理やり流動食を口に押し入れる必要なんかない・・・。
ごめんね・・・と心の中で謝る。
情けなくなって、力が抜けて、たくさん泣いた。

生かすための看護ではなく、
看取るための看護って、こんなにむなしいものなんだと思った。

夜、寝転んで抱いていると、私の腕にそのままおしっこ。布団にも流れる。
洗面所で布団を軽く手洗いして庭に干して寝る。
もうだいぶ動けるので、トイレでしてほしいが、慣れてないので嫌なのかもしれない。





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6月5日(火)

朝方、ヒーローががぶがぶと水を飲む音で目が覚める。
カリカリも少し食べた。
自力で飲食できる姿を見てほっとした。

今日は2日目なので、私自身少し慣れて、仕事中もくよくよすることはあまりなかった。
でもなんとなく気分は沈んだまま。

猫の看取り方で検索して、印象に残った意見があった。
その猫はもう亡くなったが、闘病中、無理に餌を食べさせたことを後悔している、とあった。

猫にとっての幸せをあらためて考えた。
一瞬一瞬、不快なことをなくしてあげることが、いちばんの幸せではないか。
猫にとっては、強制給餌の目的や理由などわからないのだから。

帰宅、ヒーロー無事。
以前ほどの元気はないが、もう大丈夫なのではと思うくらい回復したように思う。
カリカリ食べて、水も自分で飲める。
強制給餌しなくてよさそうでほっとする。

ボラ仲間さんに報告メール。
写メつきで元気な姿を見せると、喜んでくれた。

DSC_0015.jpg


麻痺してないほうの左足を何気にマッサージしてみる。
肉球が冷たくて、筋の伸びが悪い気がする。
そういえば胸水で苦しい時、少しピクピクと痙攣していた。

おしっこを布団の上で。また手洗いして庭に干す。
昨日干した布団乾いてたので取り入れて今日のかけ布団にする。
うんち3日出てない。
最後に見たのは6月2日(土)シェルターで黄色いドロドロの便。
木曜に2軒目の病院に連れていって相談しよう。





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6月6日(水)

昨夜から朝にかけて、眠りの合間にぼんやりと考えていたことが、
朝方、急にはっきりした考えとなって頭に浮かぶ。

ヒーローは下半身全体が麻痺しかけているんではないだろうか。

左足の血行が悪く、筋が硬くなっていること。たまにピクピクと軽く痙攣する。
動けるようになったのにおしっこを垂れ流すこと。
便が出ないこと。

これらを考えても、下半身麻痺なら説明がつく。
腰から下全体の筋肉が弛緩していて、便が中にあっても出せないし、
膀胱も麻痺しかけていて、おしっこを出すタイミングを調節できないのでは。
おしっこする時のヒーローの様子を見ていると、
気づいたら漏らしていて自分でもびっくりして、濡れたくないから移動する、
といった感じにも見える。

今朝はモンプチカリカリではなく、RCピュアフィーライン・ヴィタリテを与えてみたが、
これも食べてくれた。

夜、旦那さんと仕事終わりが重なったので車で乗せて帰ってもらう。
ヒーローのおむつを買うため、開いてるスーパーに立ち寄ってもらうよう頼む。
嫌な顔せず動いてくれ、いっしょにあれこれとおむつを選んでくれる。感謝。

帰ってさっそくヒーローにおむつを装着。
しっぽの穴を開けてすっぽりはかせると、心配していたよりサイズもいいかんじで、ズレも少なそう。
見た目もかわいい。

DSC_0017-1.jpg


ボラ仲間さんから優しい気遣いメール。
土曜日の朝は人手が多いので、今週も休んでください、と。
ネットのシフト表を見ると、すでに名前を消してくれていた。
ありがたい。

おむつ猫になったので、安心していっしょに布団に入る
眠りにつきかけたころ、ヒーローの動きと匂いで目が覚める。
掛け布団におしっこが大量に流れている。
おむつの隙間から流れ出たようだ。おむつをぬがせてみると、吸った形跡なし。
やっぱりヒト用のはだめなのか。マミーポコの吸水力がだめなのか。
また洗面所で部分洗いして庭に干す。
3夜連続、さすがに疲れる。

部屋に戻ると今度は敷き布団におしっこ。今夜は2回も。
尿が出たことを喜んでいいのか、疲れでわからなくなる。
重い敷き布団を持って1Fに下り、また洗う。
庭に干す場所もないので部屋に立てて干してみるが、匂いが気になり
やっぱり庭に無理やり干す。
ため息。

明日は早起きして病院に行って、経過を診てもらい、ついでに下半身麻痺について聞いてみよう。

自分が寝る布団がなくなったので、こたつ布団を敷いて寝る。
腰がいたい。

夜中ヒーローが全身をビクッと一回痙攣させる。
人間でも眠っているときになることがあるが、あんなかんじ。





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6月7日(木)

朝、病院受診。
利尿剤をストップしていることや、食欲などを報告してアドバイスをもらう。

胸水は、呼吸が正常に近いので、それほど溜まっていない。
レントゲンやエコーで調べるまでもない程度。
脱水症状はほとんどない。

おしっこについては、FIPのドライタイプに見られる神経症状も出ている可能性があるが、断定できない。
FIPドライの場合、今後麻痺が上半身まで至る可能性あり。
また事故の影響が膀胱周りや左足にもじわじわ出てきた可能性もある。

でも右足の麻痺が本当は事故ではなかったとしたら?
眼振について前から気になっていたと言うと、それもFIPの影響だったかもしれないと。
こうなるといつから発症していたのかわからなくなる。
胸水が溜まるのは末期なので、実はかなり前から発症していたのではと疑う。
右足の麻痺が事故によるものかどうかは、保護前にかかっていたという病院にもう1度確認すればわかるが・・・。

うんちは触診の結果、柔らかめのが5cmくらい溜まっているが、普通の1回分くらいなので正常。
自力で出せるかどうかはまだわからない。刺激すると括約筋の反応はある。

強制給餌するときに困ったことを話すと、丁寧にレクチャーしてくれた。
レクチャーのサンプルで「退院サポート」という缶詰を皿に入れて出してきてもらった時、ヒーロー食いつく。
他の缶詰は食べなかったのに。
500円と高いが、食べてくれたのが嬉しかったので1缶買って帰る。
ペースト状の缶詰を流し込める大きいシリンジも買う。

仕事終わり、旦那さん迎えにきてくれる。
ゲームを買って帰るというが、一刻も早く帰って安否確認したい私は嫌な顔をする。
5分だけということで店に寄る。いらいらする。

週末に服を買いに行って食事をしたいと言っていた旦那さん、ついでに映画も見たいと言い出した。
私の時間があいて、かまってほしい気持ちもわかるので、むげにはできないけど、
何のために時間をあけたのかを、考えてほしい。
シェルターのシフトを休んでまでヒーローとの時間をつくっているのに、遊んではいられない。
映画は無理と断った。

帰宅、ヒーロー無事。
また漏れるかもしれないが、いちおう、おむつを装着。

旦那さんとのやりとりで悪いと思って、映画いけなくてごめんと謝って、リビングで長めに過ごしてみる。
ごめんね。と思う。
このままの看護生活は続けられない。
どうしたらうまく立ち回れるか、考えないといけない。

2Fに上がると、トイレの砂が乱れているのを発見。
でもおしっこはない。そりゃそうだ、おむつしている。
見ると、ヒーローはおむつの中でおしっこしていた。今度はちゃんと吸収している。
さらにうんちまであった!
カチカチで細く、途切れ途切れのものが、延べ5cmくらい。

ということは、自力でうんちはできるんだ。
あるいは、おしっこもできるようになった?
今度おむつなしにしてみて、うんちとおしっこどちらをトイレでするか、見なければならない。

病院で買った高価な缶詰、家では食べない。
カリカリとかつおぶしを食べる。
今夜は布団を手洗いしないですんだ。それだけでもずいぶん楽。気持ちも楽。
排泄の処理は、精神的にもダメージが大きいとわかった。

左足をマッサージしてみる。
しなやかには動かない。
筋がつっぱったり、変に力が入ったりして、曲げ伸ばしがぎこちない。

寝るときツイッターを見る。
川崎事件、控訴なしとあった。そして犯人はすでに釈放されていると。
何か言葉にならないものがこみ上げてきて、泣いた。

夜中、ヒーローの体がまた一度ビクッと震えた。



→ 看護日記(2) 『 苦悩の1週間 』
「もうシリンジを突っ込むのは嫌だ。心が折れそうになる。」






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ジャンル:福祉・ボランティア

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にゃんとら

Author:にゃんとら
岡山の猫好き。
犬猫を愛護センターや保健所からレスキューするNPO法人の動物愛護ボランティアに参加。シェルターに犬猫のお世話に行きながら、個人ボランティアとしても情報発信しています。
本職はグラフィックデザイナ~。

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